主人公はどこにでもいる普通のサラリーマン。
妻と二人の子供がおり決して裕福ではないものの幸せな家庭を築いていた。
しかし、ある日その状況は一変する。
主人公は会社への通勤途中、列車内痴漢の容疑をかけられてしまう。
冤罪であることを必死に訴える主人公だが結果的には警察に拘束されることとなる。
もちろん、そのことは家族や職場にも広がる。
数日後、被害者の証言も不可解な点が多く、証拠不十分で釈放される。
だが、その間に主人公が失ったものはあまりにも大きかった。
「実家に帰ります」そう書かれた手紙と離婚届。
職場でもOLたちに陰口を叩かれ自主退社をせざるえなかった。
全てを失った主人公は家に引きこもりの生活が続く。
そしてインターネット上の裏サイトを発見する。
「痴漢の巣窟」そのサイトでは痴漢を行った時の状況をアップロードしたり、
次のターゲットを公開、仲間を集う集団痴漢のサイトだった。
最初は怒りを覚える主人公だったが、次のターゲットを見て彼の考えは変わっていく。
「こいつ…」
主人公から全てを奪った女の情報が載っていたのである。
「今さら失うモノもないしな、せめて……」
主人公の中の悪魔が囁いた。
主人公はサイトに登録し、集団痴漢に応募したのだった。
こうして、彼の狂った人生が動き始める。